atashi9's weblog

10だってあるよ 

人間と科学

 この本すごい。

直観を磨くもの: 小林秀雄対話集 (新潮文庫)

直観を磨くもの: 小林秀雄対話集 (新潮文庫)

 

 いろんな知識人との対談集なんだけど、大きく分けて、人間と科学、という分野と、人間と文化、芸術っていうふうになってるみたい。

帯に大岡昇平との対談の一部が書いてあったので、個々に読めばいいやとか思って適当に気になるのから拾い読みしてたんだけど、最初の三つ、とくに湯川秀樹との対談がメインって言えばそうで、その内容がすんごいんだ。

先日ハイデガー研究者の出したこの本自体はいいんだろうけど、ちょっと偉そうって言えばそうなんだ。

 

技術への問い (平凡社ライブラリー)

技術への問い (平凡社ライブラリー)

 

 書かれたのは1953年。

でさ、湯川秀樹は物理学者だからって言えばそうだけど、小林秀雄はなかなか理解できないとか言いつつ、なんだかんだいって普通の人でもまあ理解できる風に言ってて、終戦の3年後1948年の新潮の対談なんだ。原爆落とされたこともあるだろうけど、そこへいたる論壇の科学に対する考え方とか、地震と原発事故の前に起こっていたことにも似ててぞっとしたんだよね。

 つづきね

あああけましておめでとうございます。

元旦から居残りふう。

今年もどうぞよろしくおねがいいたします。

20世紀の科学の大革命が一般思想に大きく影響をもたらした、っていうのは先日も大正デモクラシーの話ちょっと書いたけど、そういうので、通俗科学書が氾濫して、ブルジョア文学者とかが「偶然論」がどうのこうのとか言い出して、左翼文学者は政治ばっかに心をとらわれてって言う間に原子爆弾が破裂してしまったって小林が言ってるんだ。その偶然論ていうのは横光利一が純粋小説論っていうので書き始めたらしいんだけど、その横光の話はこの湯川との対談の前に載ってる。

でさ、確かにブルジョアでもないけど、昔がそうだったかって言うとわかんないけど情報の中心っぽいところにいると確かにぐうゆうせいってあるからさ、でもそのことについてわたしとかがいってるのと、普段からうがってみてる人とで何か違いとかもあったんだろうなあ。だけどセレンディピティって言うのは日本人とかだけでもなくてアイデアにまつわる辺ではよく言われていることで

発明家に学ぶ発想戦略 イノベーションを導くひらめきとブレークスルー (Harvard Business School Press)これでエリック・シュミットも言ってる事でもある。なんかgoogle暦の出してるなあ。前からやってるだろうけど。

でさ、その1948年の時点で因果法則について確率っていえばそうだけど、それだけじゃない量子理論で考えるんだって言っててさ、今やってるんだけど、やっぱり物性の不確かな状態と精神の自由の問題にとらわれるところでとまるんだよ。整合性が高すぎるもの押し付けられるのって理論だけで作られてたものだと嫌でしょ?なんとなくわかってても嫌だなと思うことわたしもよくある。でもそれで別に人間が機械化するわけじゃないじゃない。

変な誤解が蔓延しちゃってほんといやだわ。大量消費がどうのとか、スマフォ断ちとかね。そういうのも湯川はちゃんとこの対談でしゃべってるね。それを精神と物っていう二元論で考えていくのがいいって言ってるんだけどそうなのかなあ。なんか二元論って対立思考しか生まない傾向あってさ、じっさいそうなっちゃってんじゃん。そうなんないようにやればいいんだけど。

 

他にもやること多いんだよねー。酒も飲まないで本とか読んでんだけど。

休み中にまたよくよく読んでおくわ。

 

はい、次、経済。